お腹召しませ


お腹召しませ (中公文庫)


公金をくすねて失踪した婿のかわりに
腹を切るはめになった養父
潔く死ななければ家名断絶という窮状に悩んだ彼は
土壇場で悟りにも似た一つの真実に気がつく。


美しく散るのが武士の嗜みー
そんな美学をあざ笑う、したたかな下級武士の生き様を描いた
浅田次郎のおとぼけ人情時代劇短編集


格好悪くても、自分の心に正直に生きることが
実は一番格好いいのではないか、
体面ばかり気にしちゃ、生きている意味がないと
いわんばかりの型破りな物語だった。