死刑


http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008061700757

2008/06/17-17:13 「執行増は異常」「抑止力ない」=法相あてに抗議書−死刑廃止議連
 宮崎勤死刑囚(45)ら3人に対する刑の執行に抗議し、国会議員でつくる「死刑廃止を推進する議員連盟」(亀井静香会長)は17日、法務省を訪れ、死刑制度の見直しを求める鳩山邦夫法相あての申し入れ書を提出した。
 衆議院議員会館で記者会見した亀井会長は「新たに3人の命が国家権力に消された。何か国民の幸せにつながっていくものが生まれたのか」と批判。凶悪事件は減っていないとして、「(死刑制度による)抑止力がないのは明白」と主張した。
 保坂展人事務局長も「執行数が増えているのは、国際社会では異常。国連で人権を主張する資格はない」と怒りをあらわにした。

死刑と聞いて思いだしたのがフランス革命の熱狂と混乱を背景に
純愛を貫いて断頭台の露と消えた男の物語ー二都物語である。


主人公であるシドニー・カートンは、愛する女性を悲しませないために
同じ相貌もつ彼女の夫の身代わりとなって処刑される。
その死に顔が、苦痛や恐怖にゆがんだものでなく
満足感に満ちていたことを表す描写で物語の幕が閉じるのだが
なすべき事をなし終えた人間の貌というものは
きっと美しいのだろうと思う。



他人のそうした美しい死に方をする権利を奪ったものには
相応の死が相応しいであろうし、
殺された者の恨みや遺族の悲しみを理解できない者を
国会議員というより、日本人として、人間として正しいと私は認めない。




ありきたりの言葉ではあるが
人はいつかは死ぬ、限りある生だからこそ人は全力で生きるのだ。
ゲームの影響で人は生き返るものと錯覚したのは子供を嘆くより
人権の旗印を掲げて、死者に鞭打ち
売名の政治ゲームに酔い痴れる阿呆がこの国にいることを私は恥じる。
死の尊厳が理解できない輩にとって、生は無価値と等しく
己の死によって、その代価を払い、悔恨するべきだと私は信じる。


人の身代わりとなって死んで、納得できるほど人間が練れているわけでないが
どんな死に様であれ、一生を感謝するような顔で逝きたい。
それを妨げる者に憂いあれ。

二都物語 (上巻) (新潮文庫)

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