フットボールにはワルがよく似合う

仕事から帰ってきてテレビをつけると
人気沸騰のアメフト漫画・アイシールド21の放映の時間だった。
脇役の蛭魔というキャラが濃くて、その極悪非道ぶりがいつも笑えるのだが
tacaQの経験上、フットボールやってる奴は、多かれ少なかれワルである。
というわけで横須賀体育大学時代の話。



今は知らないが、tacaQが在学当時、破傷風の予防接種が義務づけられていた。
針を刺されることは痛いが、クラブを休めることを考えたら、
おつりがくるくらい些細な問題であった。
「今日一日は、激しい運動しては駄目よ。勿論お風呂もね。」
と、遥かな昔、白衣の天使であったであろう看護婦のいう言葉に
「はーい」元気よく答えて、部室に顔を出した。


tacaQを始めとする何人かの制服姿の人間を見つけた先輩が
「お前ら、何しとんねん」と訊いてきた。
「今日、破傷風の注射を。」
「ふーん。で、その格好はなんやねん。」
「だから、注射を打ってきたんで、激しい運動は・・・」
「ふーん。で、その格好はなんやねん。」
「いや、だから激しい運動は・・・」


「ダァホ。練習着に着替えて来い」
「でも、激しい運動は」





「注射の後アメフトやって


 死んだ奴はおらん。」



「・・・・・・。」



結局その日は、通常の練習をして、全身ドロだらけとなった上、
アメフト&ラグビー専用浴場(別名コーヒー風呂)で汗を流した。



フットボーラーは、こうやって頭がワルくなっていくのである。