シービスケット

シービスケット―あるアメリカ競走馬の伝説

20年代ローリング・トウェンティの繁栄からブラックマンデー以降どん底に落ちたアメリカで
最愛の三男を事故で亡くした大金持ちチャールズ・ハワードは
見えない力に導かれるかのように競馬に出会い
偏屈者の調教師トム・スミス、片目の騎手レッド・ポラード、暴れ馬シービスケットが集う。
彼らは、アメリカ最強という称号を目指し一つのチームを結成し
頂点までの、容易でない道のりを歩む。


勝利だけが唯一にして絶対評価の厳しい世界において
騎手は過酷な減量に耐え空腹を飲み込みながら騎乗する。
死と隣り合わせの彼らには、落馬してケガをしても一切の保証のない時代だった。
主人公の一人レッド・ポラードの親友で天才騎手と呼ばれたジョージ・ウルフは
ウォーアドミラルとのマッチレースを制した後
減量と糖尿病治療という相矛盾する食生活を続け
ある日、騎乗中に意識を無くし落馬、死亡する。
そんな危険すら顧みず彼らは、勝利を目指し走り続けた


今年、日本でも映画が公開されたが、そのパンフレットに
ポラードの復活を支えた献身的なアグネスの介護や
チャールズ・ハワードとその息子のリン・ハワードの親子対決などの
秘話エピソードが一部紹介されていた。
そういう話に興味を持ち、本を購入しページを捲ったところ
そこには感動の物語がふんだんに溢れていた。
スリリングで手に汗握る渾身の物語ドキュメンタリー・ノベル
あたかもディック・フランシスの小説のように・・・