木曜日、仕事から帰ってきてテレビをつけるとたけしのアンバリバボーをやっていた。
世界中のびっくり仰天するようなストーリーを紹介する番組である。
しばらく眺めていると、身長160センチ、ノートルダム、ルディ、etc...と
何やら聞き覚えのある単語がブラウン管からこぼれてきた。




友人の死をきっかけに、ルディは人生に悔いを残すまいと
二十歳を過ぎてから幼い頃からの夢であった
ノートルダム大学フットボール部への入部を決意する。
しかし学力が不足し、入学金も用意できないため、
付属の神学校からの転入という方法しか彼には道がなかった。
神学校では難読症という学習障害と戦いながら勉強し、
ギリギリの最後の四度目編入試験でパスする。


入学後、すぐさまフットボール部を目指すものの
一般入学5人の枠に対して40人が集まったトライアウトでは
他のテスト生に完璧に打ちのめされる。
身長160センチしかないルディはピンボールのように弾き飛ばされるだけだった。
しかし、彼のひたむきさがコーチを動かし、入部を認められ
アイリッシュブルーのジャージを着るチャンスを与えられる。


彼は2年の間、クラブで常に120%の力で練習するも
一度もメンバー表に名前を連ねることはなかった。
終戦のメンバーが発表されたある日、四年生のチームメート全員が
ヘッドコーチの部屋にやおしかけ、ルディの出場を懇願する。
「ルディが居たからこそ、我々はここまでやってこれんだ」とー
そして、最終戦スタジアムのスタンドからルディ-コールがこだまする中
最後の27秒間を彼はプレーする。


ルディはたった27秒しかプレーできなかった。
二十年以上見続けた夢は、27秒だけかなったとも言える。
しかし、その27秒にかけた思いは、常人のそれを大きく越えている。
学力、身長、あらゆるものが不足しながらも
彼は、それをいい訳に夢をあきらめることを潔しとせず、常に120%で走りつづけた。



できるか、できないかは問題でなく、
走ることが大事なのだと教えてくれた映画を
久しぶりに見たくなった。