Younger than yesterday


「ヤンガーというとあの服とか掛ける・・・」
「そりゃ、ハンガーや。」


木村充輝



キムラのボケに客席からツッコミを入れてしまった。


先日、木村充輝のサイトを除いたら、夏の南関東ツアー真っ最中で
金曜の夜にヨコスカのヤンガーザンイエスタデーでライブが予定されていた。
昭和最期の年にCDを聞いて以来、キムラアツキの天使のダミ声ボーカルに魅了され続けているのだが
生で聞いたことは今の今まで一度もなかった。
こりゃ、聞きに行くしかねーなと早速コヤにテルすると
「お一人様でしたら、相席で良ければステージに近いところをお取りしますが・・・」との解答。
キムラを聞きに来る客に、ちゃらちゃらしたアベックは来ねーべと思って予約した結果、
キムラから5メートル前の席を
60年代に青春をエンジョイしたであろう女性とその婿夫婦らしきカップルご一行様と相席した。
開演までそこそこ時間があったので、初対面だったが彼らとキムラの話でちょい盛り上がる。
年輩の方は「去年のライブは、最中に心筋梗塞で倒れちゃったのよ〜。」
と高笑いしながら、ビールをあおる。
木村を聞きに来るだけあって、ファンキーなご夫人であった。


そうこう話しているうちにキムラがステージに登場
オープニングのMC、ビールを飲み
「ぼちぼちやりましょうか。」と細い目をさらに細めギターをチューニングしながら
いきなりジョージアオンマイマインドに入る。
この間、死んだレイ・チャールズに敬意を表したのだろうか、曲についてはキムラ何も語らず。
曲の合間に、聞き取りにくい小声でMCを入れる。
客席から「嘘は罪」を演奏してくれの声に「嘘付き?」とボケをかます
さすが、照れ屋でも関西人。笑いのツボは外さない。


演奏途中ビールをすすりながら「えーと、何やろうかな〜」ととぼけていると
相席したねーちゃんが「木村さん格好いい。サマータイム演って〜」と黄色い声を上げると
キムラ聞いてないフリして、しっかりサマーを演る。
お掃除おばちゃん、胸が痛い、メンフィスベルなど憂歌団時代からのナンバーを次々と歌い上げると
客席もそれに併せて盛り上がりヒートアップ。


開幕から1時間ばかり過ぎた頃
ビールが程よく回って、心地良いキムラの天使のダミ声に酔っていると
不意に涙が一粒二粒こぼれ落ちた。
魂が震えたとでもいうべきなのだろうか、悲しいわけでもないのに涙がでてきた。


天使のダミ声に聞き惚れた2時間だった。