解夏


解夏(げげ)


さだまさしが、去年の夏のコンサートで
「まだ、精霊流しを買ってない人は、もういいですから
 秋に出る新刊を買って下さい。」
と宣伝していた本が、やっと昨年末に、刊行された。



人は、一人では生きられない。
ごく当たり前のことである。
当たり前のことだが、日常にいるとそうした当たり前の事すら忘れてしまう。
空気のように当たり前のようにいる人間の存在が、
自分にとってかけがえのないものだと気がつく時
人は限りない優しさを見せることができるのではないだろうか。
4編の小説は、どれも珠玉と呼ぶに相応しい物語であり
人は、自分の心に内なる勇気もった時、こんなにも優しくなれることを教えてくれる。