戦争を知らない世代

特攻へのレクイエム指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく

「特攻へのレクイエム」を
執筆したジャーナリストの工藤雪枝氏は、あるインタビューで
「特攻」と「自爆テロ」の違いに明確に答えいた。
その違いを明らかにすることが彼女が本を著した目的でもあったが
海外に留学した時、同女史が「神風」を揶揄する外国人に
特攻で散華した若者達の心情を伝えることができず悔しい思いが
そもそもきっかけだそうだ。


その考えに対称をなすのが「指揮官達の特攻」を書いた城山三郎氏ではないだろうか。
彼の作品も勿論ノンフィクションであるが、
件のテロ事件で出版社は本の宣伝を自粛していた。
「特攻」というイメージが悪すぎるからとうのがその理由だそうだ。
それは、出版社の言い分であり著者本人の言い分は寡聞にして知らないが、
宣伝の自粛を認めたところ、城山氏は特攻と自爆テロ
同種のものと考えているのかも知れない。


戦争を知らない世代の作品と戦争を経験した人間の作品の対比になるのが
私は前者の作品が圧倒的に好きである。

特攻に限らず戦争で散華された方々は決して無駄死にしたわけではない。
彼等の多くは「後は頼む」と言い残した。
戦場で散る彼らが後世において英雄になることも
戦争の犠牲者として同情を集めることを臨んでいたわけではない。
ただ、日本の繁栄を願っていただけである。

戦後50年以上が経ち、不況とはいえ日本は栄華を極めている。
しかし、英霊達の意思を蔑ろにし、靖国参拝すら隣国のご機嫌を伺うようらになることを
彼等が臨んでいたとは思えない。
自分自身、右翼、右派とかよく言われるが、
英霊の御霊を悼むことについて、そう呼ぶのなら私は一向に構わない。

戦争を知らない世代の戯言と受け取ることなかれ。