ミズーリ

最近まで知らなかったのだが
アメリカは9月2日をVJにしているそうだ。
それは、この日に戦艦ミズーリで無条件降伏の調印が行われたことに由来している
先の湾岸戦争まで戦い92年に退役した戦艦ミズーリの右舷には僅かな凹みがある。
大東亜戦争中の昭和20年4月に”神風”の攻撃を受けた名残だという。
当時の艦長は、その零戦パイロットを水葬にして懇ろに弔った。
艦内から、敵のパイロットを弔うことについて反対の声が多くあがったが、
「国の命令に従って、勇敢に戦い心だ者に敵も味方もない。」
と、云って艦内の反対を押さえた。
戦争という狂気にさらされながら、この艦長はなんと勇気があったのだろう。


何日か前に、BBSにあの時代が狂っていたと書いてくれた方がいたが、
敵も味方も、時代そのものが狂っていた。日本にとって悲劇は、
チャーチルスターリンルーズベルトヒトラーに互する狂人がいなかったことだ。
狂気に満ちた世界の中で、日本の近衛文麿東条英機は、あまりにも正気であり過ぎた。


山岡壮八の小説「太平洋戦争」には、
戦争を戦った滑稽なほど律儀な日本人の姿が克明に描かれている。
律儀であるから故に、先人の戦いは悲しく胸に痛く突き刺さる。
負けることを知っていながら、倍以上の敵に対しても臆することなく
民族の誇りを示すためだけに敢然と戦い、
わずかな電文に、戦友への千万の思いと願いを込めて、
南海の波濤の波間に、山野に消えていった英霊は、民族の誇りである。

 この国の人間は、エコノミックな事ばかりでソウルが全然なくなってしまい、
 この国を護ることが馬鹿らしくなることがあるがが、
 かつてこの国が偉大なる神風を生み出したことを思い出すことにしている。

とは、米軍のある海軍中佐の述べた言葉だが、
我々には、受け継ぐべく魂があるのだ。