それぞれのフットボール


記事にするのが遅れたが、昨年末INDコルツのHCダンジーの長男が亡くなった。
既にその時点でコルツはプレイオフ進出と第1シードを獲得していたこともあり
Week16のSEAシーホークス戦、ダンジーは欠場した。



選手が1時間練習するのにコーチは10時間の準備が必要といわれるほど
コーチ業務はハードなもので、ワークホリックさながらに
深夜まで仕事をするコーチは少なくない。
そうした中でダンジーは異質な存在だったという。
コーチングスタッフが夜遅くまで働いていると、早く家族のもとに帰れと叱るほど
彼は家族を大事する男だった。
そんな家族を人一倍思う人物の長男が自殺と思われるような状況で亡くなったのである。
その心中ははかりがたいものがある。
彼の長男の死を悼んで、INDコルツばかりでなく対戦相手のSEAシーホークス
彼が2001年まで指揮をとったTBバッカニアーズも黙祷を捧げたという。


一方NEペイトリオッツのHCベリチックもシーズン中に父親を亡くしたが
それを公表しないで指揮をとっており、ダンジーと好対称をなしている。
勿論、家族の状況やそれぞれのフットボールに対するスタンスが違うので
一概にどれが良いとか悪いとか言える問題ではない。
正解はどこにもない。
あるとすればそれぞれが誠実であろうしたものが何かだけである。


シーズン中にはNYジャイアンツのオーナー、ウエリントン・マラ氏も亡くなり
彼の孫27人が試合前のフィールドに並び国家斉唱するという場面も見られた。
いつもの年より訃報を多く聞いたシーズンのプレイオフが始まった。

ホームデシジョン


NFLレイオフ1回戦が終了した。
ホームのチームが圧倒的に有利と言われているフットボールのゲームだが
4戦中3戦でアウェイチームが勝利するという意外といえば意外な結果になった。

WAS. vs T.B. 17-10

接戦の守備合戦を分けたのは、ターンオーバーだった。
レッドスキンズはターンオーバーからのチャンスをモノにしたが
バッカニアーズはできなかった。それが勝負の明暗を分けた。
4QでバッカニアーズQBシムズからエンドゾーンへのパスは成功と判定されても
おかしくないくらい微妙なものであった。
ドロップと判定されたが、あれがTDならばと
バッカニアーズには悔やんでも悔やみきれないだろう。

JAX. vs N.E. 3-28

FGのチャンスにパントを蹴って敵にゴール前の攻撃を強いるなど
NE側の試合運びのうまさが目立った。
点差は開いたが、試合中盤までは競った展開であり
ベリチックのしたたかさにジャガーズが翻弄されたと言えるだろう。


CAR. vs N.Y.G 23-0

この試合も点差が開いたが、点差ほど実力差はなかったと思う。
パンサーズのミスパントにジャイアンツのカバーチームの選手が触れてしまうなど
ジャイアンツには不運な展開だった。
しかし、フォスター、ゴーイングスのランプレーを中心に展開し
ボールコントロールオフェンスで時間を稼ごうとしたパンサーズの術中から
ジャイアンツが抜けだすことができなかったことが最大の敗因である。


PIT. vs CIN. 31-17


試合開始後2プレーでベンガルズQBパーマーが負傷退場してしまった。
前半、代役のキトナを中心にベンガルズはよく攻めて試合のモメンタムを握っていたが
後半最初の攻撃でTDパスをドロップと判定されたり、FGを失敗して
スティーラーズにペースを渡してしまった。
調子に乗ってるいる時は、キトナがQBでもベンガルズ攻撃陣は機能していたが、
流れが劣勢になると前半の勢いが嘘のようにもろくなった。
やはりバックアップQBはバックアップであり、
パーマーの退場はベンガルズにとって痛かった。
それにしてもロスリスバーガーは運が強い(笑)