日本vsオーストラリア

強い者が勝つのではない。勝った者が強いのだ。
ベッケンバウワー

寝過ごしてしまい前半を見逃してしまった。
すでにあちこちのブログや日記で逆転負けを嘆く意見を見かけるが
tacaQは一応サッカー経験者なので、らしく分析してみたい。


後半、オーストラリアがゲームを支配し、殆ど日本陣でボールが動いていたが
それは当初日本が描いていたゲームプランと相反するものだ。
体格で劣る日本はスピードと組織で対応するというのがジーコのシナリオだった。
にもかかわらず、それができていなかった。
理由はいくつかあると思うが、一つは日本の中盤が機能していなかったことがある。
中村がたびたびVA付近でボールをカットしていた。
中村があの位置まで下がって守備することは悪いことがないが
そうしたシーンがたびたび目についた。
中村が自陣ペナルティエリア付近でプレーすることは
日本が中盤の攻防で負け、常に劣勢だったことを意味する。


もう一つの敗因は日本がボールを奪っても、速攻しかけて失敗するか
或るいは速攻に行く前に潰されて
ボールをキープする時間が殆どなかったことである。
ゴール前の攻防で体格で劣る相手に消耗戦を強いられてるDF陣のことを思えば
相手ゴール前までボールを運べなくてもボールを回して
ペースをダウンさせる時間が必要だったのは誰の目にも明らかだった。
しかし、それができなかった。
判っていたが、気持ちがかかってしまいできなかったのかも知れないが


DFは後半35分過ぎまでよく機能していたが
失点をきっかけに一挙に崩壊した。
結局は中盤のツケをDF、GKが被るような形になったため失点を機に
それまでの疲れが出て集中が切れてしまったのだと思う。
失点するまでの働きを考えたら、3失点の責任を全てDFに負わせる酷というものだ。
GK、DFでミスを挙げるとすれば、最初の失点に繋がった川口の飛び出しである。
ゴールライン近くからロングスローでゴール前に放り込まれるのは確かに脅威だが
あそこは飛び出すべきではなかった。
もし飛び出すのであれば確実にボールをクリアしなければいけない場面だった。
前の飛び出しが川口の持ち味であることは理解しているが
果たしてあそこでリスクを冒して競る必要があったか疑問である。


中盤、左のサントスと違い右の駒野のサイドはよく相手の裏をかき、
スピードで切れ込みたびたびチャンスを作っていたが
これが結構クセものだったような気がする。
彼のセンタリングはオーストラリアにとって全く脅威を与えていなかった。
左右どちらでもできるユーティリティープレーヤーというのが彼のウリだが
彼の右からのセンタリングは左に比べて精度を欠いていたように見えた。
ボールを右サイドに流せば、殆どいっていいほど彼がサイドを駆け上がり
ゴール前にボール放り込むーなまじそういうパターンができあがってしまったために
それに頼りきりになりボールをキープする時間を
自ら少なくしDFに負担を強いてしまった。
結局彼のクロスはゴールを生み出すことはなく
オーストラリアは楽に守っていたのではないだろうか。


リードしていた時、敵ゴール前でフリーなった柳沢のシュートや
同点後福西のシュートなど決定的な好機は幾度かあり、
劣勢であったが、日本にも勝つチャンスは、
勝利を確実にできるチャンスは数度あった。
だが、それらをいつもの試合のごとく潰してしまい、
どうやったら相手が崩れるかという思考を放棄してしまったために
自ら勝利の扉を閉ざしてしまったというのが今日の試合ではないだろうか。



あと2試合で2勝しなければ決勝トーナメントには進めない。
道はたやすくないが、できないことはない。
どうやってブラジルを倒すか?
サムライブルーの選手達がその思考を放棄していないことを信じつつ
あと2戦を観戦しようと思う。




以上、元なんちゃってサッカープレーヤーの独り言である。