私はずっと完璧という言葉を使ってきた。分かって欲しい。 完璧とはスコアボードに出る結果のことじゃない。勝利とは違う。 君たちやその家族、友人との関係のことだ。 完璧であれば友達の目をまともに見て"失望させていない"と自信を持てる。 誠実な生き方だ。 誠実とは" やれることは全部やった"ということ。 そう生きられるか? ベストをつくして澄んだ目と愛情を持ち続けろ。 生きる喜びもだ。それが出来れば完璧だ。 今ここでもって互いの目を見てみるといい。 相手を心に焼き付けろ。 永遠に続く試合が始まるぞ。
超映画批評ではかなりの辛口を付けられていたので、
あまり期待しないで購入したのだが、どうしてどうして、
物語の後半には涙がこぼれる落ちるほど心に染みた。
アメリカの田舎高校フットボール部が州のチャンピオンを目指すという
青春スポーツ映画"Friday Night Light"は、
"プライド〜栄光への絆"というしょうもない邦題をつけられ
今春全国で数えられるほどの館でしか封切れなかったマイナーな映画である。
しかし、マイナーであろうが酷い扱いを受けようが、この映画はいい映画である。
人生にたった一度しかない高校最後の大会、
ある者はプロを目指し、ある者は家族のために、ある者は人生最後のゲームを飾るために
それぞれが違う目的でプレーしながらも、チームとして団結し
州のチャンピンを目指して過酷なまでほどに練習を繰り返す。
フットボールとは練習をしたから必ず勝てるというものでない。
他のスポーツ同様体格、才能、知能、精神力などあらゆる要素が複雑に絡む。
たが、一つだけ言えることは努力しなければ勝利はおぼつかない。
おぼつかないものを得るためにあらゆるものを犠牲にしながら熱中しできるというのは
若者の特権であり、その若さを青春と人は呼ぶのではないだろうか。
物語中、フットポール部のヘッドコーチは選手に"完璧"を言い続けている。
迎えた最後の試合、劣勢の中、ハーフタイムで選手達に「完璧とは…」と語りかける。
それ以降は自然と涙が溢れてきた。
確かにこの映画は、フットボールの用語やアメリカの生活について
ある程度の知識がなければ理解するのは難しいかも知れない。
だが「人生の全てを賭けた戦いが終わった時、世界から音が消える」というシーンが
挿入されているだけでも、この映画は評価に値する。
以上、誠実さは足りなかったが、音の消える場面に
数々立ち会った元フットボーラーの映画感想である。
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