京都vs立命館

ブロックとタックルに才能はいらない
京都大学アメリカンフットボール部監督水野弥一


木下、長谷川というスーパーアスリートが卒業した今年の立命館
昨年のような爆発的な攻撃力はないものの全体的に粒が揃っていて
学生チームとしてその能力は群を抜いている。
その学生最強のチームに能力で劣る京都は
オーソドックスな攻撃とひたむきなプレーだけで挑んだ。


「ブロックとタックルに才能はいらない」とは京都大水野監督の言葉だが
この言葉を証すかのように随所で見せた京都大選手のひたむきなプレーは賞賛に値する。
特に自陣ゴール前の防御で、立命館の攻撃を3度跳ね返し、失点を最小限に止め
4Q終盤までスコアを2ポゼッション以内で推移させたことは、
試合終盤までゲームの興味を繋ぎ、ターンオーバーが続出し
大味となりがちな試合をビシッと引き締めていた。


最終的なスコアは26対7で
チーム力の差を考えれば妥当ともいえるスコアだが京都の失点の多くは、
攻撃陣のインターセプトなどのターンオーバーから発生したものが大半だった。
京都大学の守備陣の奮闘を光っていただけに、
攻撃陣の気合いの空回りがとても残念だった。


タックルとブロックは、云うまでもなくフットボールの基本だが
基本的な練習ばかりを繰り返したという京都は、
基本を極めれば才能に対抗しうることを十分に示したといえるかも知れない。