悲劇の日

各紙の新聞のトップは、云わずとしれたスペースシャトルの事故だった。
事故に関係する写真が1面のみならず多くの紙面を飾った。
それは、炎上するコロンビアを写したものであったり、
悲しみにうちしがれる人達であったり
無機質の塊となった宇宙船の残骸だったりした。
このイラストは、そうした写真の一枚を模写したものである。
写真には、ジョンソン宇宙センターの前で、冥福を祈るというキャプションが添えてあった。
この画を描いた理由は、灯火を捧げる少女の表情に深い悲しみとそれに耐える意志を感じ、
そして慰霊のための灯火が、世界中の闇を払う光のように思えたからだ。



世界中の多くの人の心に悲しみが満ちている。
事故を悲しむ人もいれば、それ以外の悲しみにうち沈んでいる人もいるだろう。
逆に、悲劇を喜ぶ声や残骸を売買しようとする心ない人間の言動も伝え聞く。
人が宇宙と往復することが可能とになった時代においても
人の愚かさというのは、太古より変わっていない。
傲慢と不遜になった分だけ余計醜悪になったのかも知れない。
だが、そうした人間の愚かさ、あるいは醜悪さを非難することをやめておこう。


今は、世界中の悲しみに沈み人達とともに祈りたい。
そして、涙がこぼれないように上を向いて歩いて行きたい。

悲劇の日だ。だが、宇宙への旅は続くだろう。
乗組員たちは宇宙飛行が危険を伴うことを知りつつ、その壁に喜んで挑んだ。
あなた方は孤独ではない。国民みなが、あなた方とともにいる
ジョージ・ブッシュ第43第アメリカ大統領