戦争の犬たち

BSで、フレデリック・フォーサイスのインタビューが流れていた。
ロイター通信、BBC放送とジャーナリストから一転小説家になった理由を
力強く語っていたのが印象に残るドキュメント番組だった


ビアフラで起きた戦争で、ナイジェリア政府を支援した英国に不利な報道して
召還されたのが、作家になるきっかけだったそうだ。
ビアフラで食料の供給が止められて、
目の前で難民の子供が飢えて死んでいくのを黙っていることができなかったという。
戦争という怪物に深く関わってきた彼の望みは、
戦争から人類が解放されることという。
その理由について彼はこう述べている。
「戦争で一番犠牲になるのは兵士ではなく、子供たちだ。」と
そういえば、先の湾岸戦争でも一番の被害者は子供達という話を聞いたことがある。



人類が戦争から解放されるか否かは、民主主義に掛かっているとも彼は述べていた。
議会制民主主義が発達して国で自ら戦争を起こした国はない、と。
もちろん、これんは、国名に民主主義を標榜しながら、
ビアフラ以上の飢餓地獄に陥った38度線以北の国のことではないだろうが。


彼はまたこうも言っていた。独裁者がいつも戦争を起こすだ、と。
確かに、湾岸戦争は独裁者が起こした。
しかし、彼の国に武器を輸出する国がなかったら、
あの戦争は起きただろうか?
彼の最後の作品「イコン」に書かれたことが半分事実となった現実社会において
残り半分が実現しないことを願うばかりである。