フットボールと戦争と国家斉唱

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ホイットニー、世紀の絶唱「国歌斉唱」秘話 | ホイットニー 3D

Oh, say, did she sing

ホイットニー・ヒューストンは第15回スーパーボウルアメリカ国歌「星条旗よ永遠なれ (The Star Spangled Banner)」をどう歌うか即座に思い付いた。ジャズのコードとソウルフルなゴスペルのリズムを生かすのだ。

長年彼女の音楽監督を務めるリッキー・マイナーは、3拍子という本来のこの曲のフォーマットから一歩抜け出し、4拍子に変える事でホイットニーの肺活量を存分に生かせるのでは、との提案をした。

彼女がその歌唱で人々を驚愕させるとは、この過程で一体誰が知っていただろう?

「彼女の歌には感動して涙が出たよ」その当時ビルズのスペシャル・スターのメンバーだったスティーブ・タスカーは言う。目が(涙で)濡れていないやつなんて周りには誰もいなかったな」

「あの当時、この国は国民を一つにすることのできる何かを求めていた。彼女の国歌斉唱はその瞬間だったのさ。あれは本当にアメリカに衝撃を与えたよ。」とタスカーは付け加えた。

(中略)

The general’s perspective

その頃ペルシア湾に指令官として赴いていたシュワルコフ将校は、アメリカの国民的イベント、第15回スーパーボールのことが気になっていた。だが、サウジ・アラビアには中継がなく、リアルタイムで見る事は出来なかった。

10日後、彼のもとに一本のヴィデオテープが届いた。そしてホイットニーの国歌斉唱を見た時、彼の目から涙がこぼれ落ちた。

「本当に、本当に深く、感動したんだ。」と彼は言った。

出典:
Blessings of liberty secured for Super Bowl XXV
By Jill Lieber, USA TODAY

イラククウェート侵攻に伴って
発生した湾岸戦争
そのさなかに迎えたスーパーボウル
ホイットニーが歌い上げた国歌は
沙漠の戦場戦う兵士と彼らの帰りをまつ家族の心に強く響きわたった。
米国人だけでなく、多くの国の人間が
体が打ち震えるような感動を覚えた。


ホイットニーが映画になって
昨年末から公開されていたことに今日気づいた。
映画そのものについてさほど興味はないが
映画の宣伝用にピックアップされたこのシーンだが
その歌声を何度聞き直しても鳥肌が立つほど
心が揺さぶられる。
あれから30年以上の時間がたっているというのに、である。


正義の戦争というものが存在するか否か
現代において意見の分かれるところだが
彼女の歌声は
破邪顕正の剣が米国に授けられているのだと
考えても何の不思議もないくらいの力があったと思う。