戦争とカーンと140km

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メーメット・ショル(元バイエルン・ミュンヘン
「この世で怖いものは戦争とオリバー・カーン

欧州で戦争がリアルとなった本年、
シャレになっていないセリフだが、
オリバー・カーンのサッカーに対する姿勢を
これほどよく表現した言葉はないと思う。

昨日、11/29の産経新聞に別府育郎氏のコラムが掲載されていた。
記事は、先日なくなったプロ野球選手・村田兆治氏が手掛けた企画
離島甲子園について触れていた。
村田氏は生前地域的なハンディを抱える離島の野球を
盛り上げようと離島に所在する中学生の野球大会を
企画し、主催していた。
村田氏は大会に参加した球児から
甲子園出場者とプロ野球選手の誕生を夢見ていたとのことだった。
今春、選抜出場を果たした奄美大島大島高校の選手が
ドラフト会議で指名された。
奇しくも村田氏が死んだ本年に念願が
かなった悲しい事実も記されていた。

本年夏ごろにマスコミをにぎわせたこともあったが
それをもって彼の不器用にまっすぐ生き方の全てを
否定するのは間違っていると思う。

なお記事には、日韓サッカーワールドカップで活躍した
ゴリラにも似た強面のGKオリバー・カーン
参加したチャリティーの顛末にも触れており、
その内容に笑ってしまった。

サッカーの日本代表はW杯初戦で、優勝4度のドイツを相手に逆転勝利を収めた。ゼップ・マイヤーオリバー・カーンといった名守護神の系譜を継ぐ当代一のGK、マヌエル・ノイアーから奪った2得点は世界を驚かせた。

そのカーンには、こんな伝説がある。チャリティーイベントに呼ばれ、子供相手のPK戦で全てのシュートを止めてしまった。泣く子供らを前に彼は「相手が誰であれ私のゴールは許さない」と言い放ったらしい。

同僚が以前、離島で野球教室を開く村田に同行した。50歳を過ぎても140キロの速球で子供らに1球もかすらせず「本物を知ってもらうため」と話したのだという。

いずれも、プロの矜持(きょうじ)の武骨(ぶこつ)な発露といえた。

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