稽古

とある柔道関係者の話をきき
柔道の創始者嘉納治五郎の教えが
先取性に満ちて、かつ合理的なものだったことに
少なからず驚かされた。

曰く、嘉納の目指した柔道は
「型」「実践(乱取り)」「講義」「問答」の四つから
成り立っている。
技の基本を型を学び、実践で体得し
それを言語化して伝え、
問答を通じて教える側も
成長を促すのが目的であった。


スポーツを体育と訳し、武道をスポーツととらえることに
いささかの抵抗を覚えるものであるが
人間の成長が武道の本質であるとするならば
武道とは体育と同義ととらえても間違いではないのかもしれない。

稽古とは、古(いにしえ)を稽(かんが)えるー
型を学ぶ稽古に、そうした意味があったことなど
ついぞ考え方ことなどなかった。
自身の不明を恥じる。