新章 神様のカルテ

新章 神様のカルテ

新章 神様のカルテ


夏川草介の医療ノベル第5作。


信州の大学病院の医局に席をおき、
患者の診察に奔走する
内科医・主人公栗原一止。
写真家の妻・ハルと、子・コハルとともに
年季の入ったアパートに住み、
移りゆく季節の中、
信州に暮らす人の心に
寄り添いながら、最善を尽くすため
治療に、院内事務に奮闘する。



時として患者やその家族の希望とは
真逆の結果が遭遇しながらも、
一止は全力で患者とむきあう。
癌に蝕まれ、余命いくばくもない
若い母親を気遣う幼い娘に
「治すとは約束できない、全力を尽くす」との
言葉は、患者と誠実にむきあい
決して逃げることのない彼の生き方を
表している。


常に患者を最優先する彼は
上司のみならず、看護士とも軋轢を
おこす。
さらには、熱血漢の後輩まで加わり、
彼の立場を微妙なものにする。
様々なしがらみに絡め取られそうになりながらも
己を貫く。