原田と加藤

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負けた悔しさよりも、「すごいヤツと戦えた」という満足を、原田は感じていたのだ。もはやライバル関係とは言いがたい、尊敬に近い思い。それは原田自身が、一番近いところで加藤の才能に触れていたからだ。

1993年WGP250ccクラスで
日本人二人目となるワールドチャンピオンに
輝いた原田哲也

ピアッジやカピロッシと激しいバトルを繰り広げ、
毎年チャンピオンシップ・ポイントを争っていた彼に
2001年、最大のライバルとして立ち塞がったのが
故・加藤大治郎だった。


1995年、アプリリアのピアッジに勝てない原田は
「ピアッジに勝てないのではない、アプリリアに勝てないのだ」
と嘯く。
当時、予選では500ccクラスでも上位に匹敵するタイムを
刻んだことがある彼の台詞を否定する者はいなかった。
だが、その彼をしても加藤大治郎は異次元だったと
認めざる得なかった加藤大治郎の偉大さと
モータースポーツ界が失ったものの大きさを
今更ながらにして深く思い知る。


サーキットから彼らの勇姿が消えて10年以上の時間が
経過した。
それでも、彼らの記事が世に現れてくることを
嬉しく思う反面、
彼らを越える日本人GPライダーが現れないことに
一抹の寂しさを思える。