四十年以上前、漫画「ど根性ガエル」を
全国的にヒットさせ
一世を風靡した吉沢やすみ。
連載を13本かかえる人気絶頂のさなか
失踪する。
行方不明となった彼には、家族があり、娘がいた。
スマートフォンのアプリ「漫画Park」で連載中の
吉沢やすみの娘・大月祐子が書いた父と家族の記録。
ももせたまみを連想するような
ほのぼのしたかわいい表紙の絵柄から
想像もつかない壮絶な娘の記録。
ほぼ1話ごとに、時間軸が現時点にもどるため、
ある種の安心感をもって読める筈なのだが
彼女が描く父と本人の出来事は、
落ち着くいとまがないほど
衝撃的な告白の連続であり、
ホラーと思うほど凄惨である。
30年ほど前によんだV.C.アンドリュースの小説を
彷彿とさせる内容であり、
戦慄が走った。
角川から発売した第一巻の売り上げが芳しくなく、
掲載誌のあてもないまま
原稿を引き上げても紡ごうとしたこの物語に
作者は何を伝えようとしているのか。
作者の青春を踏みにじった父母への恨みか
それとも愛か、
いまだそれを見極めることができない。
- 作者: V.C.アンドリュース,中川晴子
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 1989/10
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 6回
- この商品を含むブログ (7件) を見る