ピート・キャロルへの手紙2


親愛なるUSCトロージャンズ、ピーター・キャロル監督


私は、USC出身にして、
フットボールチーム・トロージャンズのファン、
ブライアン・オルソンと申します。


今期のリーグ戦パシフィック12における
キャロル監督の采配を楽しみにしております。


さて不躾ながら、
私の12歳の息子、ジェイク・オルソンのことで
一つお願いがあります。


我が息子は、
将来、南カリフォルニア大学(USC)で
プレイすることを希望していますが
その機会を掴むことが
難しい状況にあります。


ジェイクは、網膜芽細胞腫によって
1か月後に、両の目から光を失います。
その息子は、トロージャンズのプレイを
目に焼き付けて、手術に臨みたいと
申しております。


一瞬でも構わないので
練習の様子が見える場所への
立ち入りを許可していただけないでしょうか。


突然の申し出に
さぞ驚かれていることだと思います。
監督は、トロージャンズを指揮するために
LAに来られたのであって
ファンサービスのためでないことは
重々承知しております。


また、私の息子の願いは
断られて当然だとおもいます。
特別な待遇を受けるいわれを
私は持ち合わせておりません。



ただ、私は、息子が
目が見えないことを理由に
結果を怖れて挑戦しない人間に
なって欲しくないのです。
私は彼とこの先の人生を
切り開いていこうと思います。
一通の手紙で、我々の人生が変わるとは
思っていませんが、
私達親子の最初の挑戦として
この手紙をしたためした。




お忙しい監督を煩わせることを
申し訳なく、また心苦しく思いますが
私どもの事情に免じて
どうか御容赦ください。


最後になりますが、
トロージャンズの今期の活躍を
ご祈念しております。


ブライアン・オルソン