ピート・キャロルへの手紙


父ブライアンは息子ジェイクに残酷な知らせを
告げなければならなかった。
網膜芽細胞腫
その病気は、息子の残った右目を
奪うことを意味した。


すでに息子は生後10ヶ月で左目を
網膜芽細胞腫』で摘出していた。
ジェイクは、わずか12歳で両目から光を
失うのだ。


愛する息子に、
フットボールが好きで
将来、南カリフォルニア大学(USC)で
プレイすることを
夢見ている息子に、
「右眼を手術で取らなければならない」
とブライアンは告げた。


妻シンディは、自分自身をせめた。
「私が悪いんだ、私のせいだ」と。
夫は、妻にやさしく言った。
「誰も悪くはない、ジェイクも、母である君も、
誰も悪くない」
誰かのせいにできれば
いくらかは気持ちが軽くなるかもしれない。
しかし、それでジェイクの目が治る訳ではない、
大切なことは、人生を続けていくことだ。
息子の人生に希望を灯をともすことが
何よりも必要だ。


全てを聞き終えたあと、ジェイクは言った
「最後に、USCトロージャンズの練習を見たい」