コマ二


仕事帰りミニサッカーのゲームに誘われた。
職場から二十分ほどバスに乗って
訪れたのは駒沢公園だった。
最期にこの場所に来たのは
関東学生アメリカンフットボール二部リーグ
終戦以来のことだから
およそ二十四年ぶりだった。


思えば学生最終の四年のシーズンは
自身の怪我やチームの不調などで
不本意な成績でシーズンを終えた。
シーズン最終戦となった駒沢第二球技場での試合も
完敗に終わり、数多く重ねた敗北の一つとして
記憶にのこっている。


当時、土のグランドだったフィールドには
緑色の人工芝が張り巡らされ、
一度も浴びたことのないカクテル光線が
降り注いでいた。


左足肉離れで、10分足らずの出場だったが
チームは二勝した。
一位の賞品としてユニフォーム
主催者からもらった。
負傷と勝利でコマ二の記憶を更新することができた。