国鉄


日経新聞の最終面の「私の履歴書」は
各界の著名人の昔話を連載で綴るコラムであり
ここしばらくはJR東海名誉会長葛西敬之氏の
記事が掲載されている。



国鉄を立て直そうとした葛西氏の
取り組みは既得権益にあぐらをかき
就業規則を蔑ろにしていた
労働組合との対立を招くものだった。
ストをちらつかせては会社の指示に反抗し
数にものをいわせ管理職を威圧するなど
傍若無人な振る舞いをしていた
労働組合の行為を垣間見るとき
いったい彼らは何を見ていたのかと
不思議に思う。


真面目に勤務していた国鉄職員もいただろうし
組合に入りながらも会社の規則を遵守した者もいただろう。
しかし、労働組合ばかりか、
会社の運営に責任をもたなければならない
幹部の日和見と自己保身、改善の放棄を
きけば、
国鉄全体の腐敗に長嘆息するよりほかはない。





労働者の権利を否定する気はさらさらないが
権利ばかりを声高に主張し
己の義務をかえりみない連中ほど
醜い物はないとおもう。
もちろんそうした連中は、平成の世となって久しい今でも
そこかしこに蔓延っている。
そんな怠け者、或いは自意識過剰の無恥が宣う「正義」が
実態のない脳内真実であることは
今も昔も変わらない。
それを愚かと笑ってすませられない
輩の悪辣さに不快な感情を覚える