図書館戦争

図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1) (角川文庫)

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図書館内乱 図書館戦争シリーズ (2) (角川文庫)

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図書館危機 図書館戦争シリーズ (3) (角川文庫)

図書館危機 図書館戦争シリーズ (3) (角川文庫)

図書館革命 図書館戦争シリーズ (4) (角川文庫)

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有川浩の人気シリーズ「図書館戦争


メディア良化という名の下に
検閲が日常化した架空の世界の物語。
主人公、笠原郁は高校生の時、
不適切な言葉を取り締まるメディア良化委員会に
意中の本を狩られそうになった経験を持つ。
その時、通りすがりの図書隊員に窮地を助けられことで
図書隊に憧れて入隊してしまう。


生来の物覚えの悪さにもめげず
男性隊員顔まけの体力で
女性初のタスクフォースに抜擢され、
同期の手塚、教官の堂上と騒々しい毎日を過ごしながら
成長するー。



軍隊の鬼教官とドジの新入りのラブコメという
ベタな設定ありながらも
素直に楽しめながら読めたのは、
会話や話の展開もさるながら
図書隊という架空の設定の妙が
充分に生きたからではないだろうか。

このベタな設定の舞台が警察や自衛隊だったら
不自然さだけが気にかかり
とても楽しむところではなかっただろう。
作者の突拍子もない着想が
いろいろな意味で秀逸だったといえる。



人の言葉尻を捉えては、攻撃する
枝を見て気を見ず、木を見ては森を見ない
浅はかな善意を振り回しては悦に入ってる
一人よがりな連中と
報道という正義を振りかざし
己をかえりみないマスコミへのあてつけ
という訳ではないだろうが
そうした連中への皮肉も効いていて
大人でも楽しめる話となっている。