禍福は・・・・・・


映画にもなった真山仁のハゲタカ3は
日本代表する自動車会社アカマ(架空)の買収劇を
描いた経済小説である。
作中では、創業者の孫がアメリカの子会社で事業を失敗をさせたものの
社中の派閥によって過去が粉飾され
被買収騒動の最中「大政奉還」とばかりに
社長への就任が画策される。
どこまでが事実か不明だが、トヨタがモデルとなっていることは
誰の目にも明らかである。


さて、最近倒産した日航は、収益の悪化が著しかった2、3年前
ダイヤ通りに飛行機を飛ばして客を呼び戻そうとしたが
危険なインシデントが相次いで発生し、
会社として釈明せざるをえない状況に陥った。
現場の事情を無視ないしは軽視ー
簡単に言えば、サービスの向上と言いつつも
顧客の安全より自社の利益を過度に追求したために
起きた結果だと個人的には見ている。


今回のトヨタプリウス騒動は、
アメリカの販売台数で首位躍り出たがゆえのバッシングと
見る向きもあるが、それだけではないような気がする。
何の確証も証拠もないが
やはり過度に利益を優先したために行き着いた結末ではないだろうか。
ホンダがインサイトを発表し
車種別で国内の月間販売台数トップに躍り出た直後
トヨタは、新型プリウスを低価格で販売戦線に投入した。
新型プリウスは販売台数でホンダのインサイトを抜き
あっという間にトップとなった。
巷ではインサイト潰しと囁かれた。
プリウスの販売スケジュールや生産に無理があったのではないだろうか。



皮肉にも新型プリウスは、大量に売れたために
そう簡単に「欠陥」や「未完成」を認めるわけにいかず
初期のクレームを、ユーザーの不慣れやラインの不良品として
処理したー下司の勘ぐりではないか、つい思ってしまう。



国内のシェア競争や新車開発など
素人の憶測の及ぶところではないが
自社の利益追求を、環境とか、ユーザー本位とか
粉飾して言い出すと良い結果にならないのは
国や業種を問わないような気がする。


ああ、そういえば、国民目線でとかいってる人間達も・・・・・・、
というのはちとこじつけが過ぎるか。