スペインGP


ここ数年の恒例行事だったmotoGP日本参りだが
開催の時期が9月から4月に変更になったのと
種々の事情から今年は観戦を見送ることになった。


最高峰のmotoクラスで戦うのが高橋裕紀一人となり
ポールに日の丸が揚がる可能性はほとんどなくなったのも
理由の一つである。
やはり、トップクラスで未勝利だったとはいえ
やはり中野真矢はそれなりに期待させてくれるものがあった。


へレスサーキットで行われたスペインGP250ccクラスの中継の解説は
坂田和人だった。
レースとは関係ない場面で、アナウサーが
「坂田さんが初めて勝ったサーキットですよね」
と水を向けていたが、坂田には忘れたくても忘れられない悲しい出来事が
ここであったのは、もはや知る人ぞ知る話となってしまったのだろうか。


そんな93年を思い出しつつ、唯一日本人の表彰台が期待できる
250ccクラスをテレビで観戦した。


序盤、スタートに失敗し7位前後でレースが始まった青山博一だが
着実に順位を上げ、序盤で3位のバルベラに追いつき、
トップを争うシモンチェリ、バティストゥータとの差を詰めて
4つ巴の展開に持ち込む。


その後、バルベラは殆ど争いに加わることなく4位をキープ。
好戦的なバルベラが、しかも地元で暴れないとは、珍しいこともあるものだ。
セッティングが煮詰まっていなかったのだろうか。


レース中盤以降は、1位から3位までが目まぐるしく順位を入れ替えるなか
シモンチェリが脱落、終盤には青山とバティストゥータとの
マッチレースとなった。
フィナルラップでトップを奪った青山が
最終コーナーでクロスラインを選択、
コーナーの進入でバティストゥータに前に出ることを許すものの
コーナー出口でパティの頭を抑え、
そのままフィニッシュラインを通過してレースを制した。
最後の最後までもつれた接戦を
クレバーな展開で勝利した青山に、強さを感じた。
今年はかなりの確度でタイトルを手にするように思う。



久々に、君が代が聴けて、嬉しかったが
当の青山博一自身は、善戦の日本GPの2位入賞の方が
感慨深かったらしく、今回は全く涙を見せなかった。



涙なしのスペインGPの表彰台、それもまた良しかな。