腐敗


オリンピックで日本サッカーの男子が惨敗したことについて
協会や監督の責任を問う声か多い。
2chだけでなくyahooのニュースに簡易に書き込めるコメントですら
読むのが気持ち悪くなるど悪辣なもので埋まっている。


日本の男子サッカーがオリンピックに出られるようになったのは
96年のアトランタからであり
オリンピック出場ですら夢話と語っていた時代を知るものからすれば
隔世の感がある。
だから、アスリートの努力や研鑽を評価する前に
誹謗中傷を繰り返す愚物らには、このうえない嫌悪感を覚える。


協会や監督に能力不足があったことは指摘するまでもなく事実だが
そういう人材にもともと不足しているのだから
これから育てれば、と思う。
日本ではプロのリーグが始まってまだ20年に満たないのだ。
ブラジルやイタリアのようにそうそう人材が転がっているわけではない。
ただし、手前がスーパースターと勘違いした選手は
大いにたたかれるべきだろう。



さて、中国サッカーも日本以上に批判に晒されている。
中国のプロ化も日本と同時期に行われたが
彼の国の経緯をみれば、日本のたどった歩みの
早い遅いはともかくその方向性は間違っていなかったと思う。





http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/171084/

中国で最も人気のあるスポーツはおそらくサッカーだろう。入場料だけでビジネスが成り立つ数少ないスポーツだ。このため改革開放後の1994年、プロリーグが最初に導入されたのもサッカーだった。
その結果、どのような不幸が起きたかを中国最大のネット情報「新浪体育」は詳細に解説している。


まず、選手や審判団に拝金主義が横行した。選手たちは公務員待遇(衣食住は政府保証)で200元(3000円)程度の給与だったのが、一気に20万元(300万円)以上に引き上げられた。これが彼らの金銭感覚を狂わせた。主要選手の間で練習欠席や夜遊びが蔓延(まんえん)したのもこのころだ。
次いでスター選手との給与格差に不満を持っていた控え選手の間にサッカー・ギャンブルで稼ごうとするグループが出始める。主要選手もいずれ加担するようになり、審判員と選手が組んだ八百長ゲームさえ日常茶飯事のように起きるようになった。


(中略)


いずれにせよ中国のすさまじい金メダル奪取の原動力はいまもステートアマ育成にある。
例えば上海市の場合、市政府に「体育局」という行政部門があり、所属職員は7000人以上。その中に有名選手やコーチが含まれる。彼らは幼少時に才能や体格を認められエリート教育が施される。
この教育がいかに効率が良いかは、今回の中国大選手団のうち上海出身者が1割を占めたことからもわかる。バスケットの姚明選手や陸上ハードル走の劉翔選手らスター選手も上海市体育局の職員だった。


ともあれ中国サッカーは選手育成にあたって中途半端な市場開放路線をとったことが間違いだったのかもしれない。