ダカールラリー伝説の30年〜地平線を追って

冒険を愛するなら、その扉まで案内しよう
ティエリー・サビーヌ

1月にテレビ東京で放映されたものを
エアチェックしておいた。
おそらくは、ダカールラリーが今回中止となったため
その穴埋め的に30年の歴史を振り返る構成になったと思われるが
古い劣化した70-80年代の映像に思わず感慨深いものを感じたり
2回の総合優勝を果たした増岡浩が
若い頃、100円フランスパン1個で2日間過ごしたエピソードに
苦笑いした。



テロリストから脅迫があり、今年のラリーは開催中止となったが
私はラリーがテロに屈したとはさらさら思っていない。
異論はあるだろうが、中止という苦渋の決断を下した主催者を支持し
出発直前のミーティングで発表した「偉大な大会が、来年、参加者を歓迎する」
というコメントを私は断固として支持する。



国際的なモータースポーツイベントの一つとして成長した同ラリーが
今後どうなるか、誰にも断言できないが、
たとえ、何年かかろうとも、参加者が減少しようが
大会の再開を心から渇望する。
無責任な門外漢の物言いかもしれないが
テロとの戦いは根気のいる長いものになるだろう。
だが、どんなに長期に及ぶとも、暴力に屈しない信念があれば
必ず道は開けると信じる。



パキスタンイスラムテロの犠牲者となった記者
ダニエル・パールの父・ジュデイア・パールは
息子の死後パキスタン人との文化交流を支援し
「これが過激なテロリストに対する私流の復讐」とコメントし
ジルベール・サビーヌは
創始者である息子が事故死した直後の大会で
「息子の弔い合戦」と叫んだ。
ならば、この大会の再開こそが、テロリストに対する最高の復讐であり
創始者ティエリー・サビーヌの遺志にもっとも叶う道ではないだろうか。