鹿島vs川崎


リーグ戦を奇跡の9連勝でひっくり返し念願の10冠を達成した鹿島と
2度目のJ1昇格後、安定した成績を残し
初タイトルを奪わんばかりの勢いを感じさせる川崎との
組合わせとなった天皇杯サッカー準決勝は
展開の早い、なおかつ気持ちの入った白熱したゲームとなった。


序盤から、優位に立ったのは川崎で、
新井場が守る鹿島左サイドを川崎の森が何度も突破してはえぐり
また左サイドだけでなく、鄭、ジニーニョが
2列目からのパスに反応して中央から
ゴールを脅かす場面がたびたびあった。
それでも失点しなかったのは、幸運もあったが
曽ヶ端が鉄壁の守りを見せたからにほかならない。


劣勢に立たされ
川崎のラインコントロールに翻弄されオフサイド
決定的な好機をものにできないなど苦しめられたが
鹿島も相手ボールを奪っては早いパス回しで
フロンターレゴール前までボールを運び、
流れを徐々に引き寄せていた。
得点を奪ったのは鹿島の本山だが、ゴール以前にも
何度か惜しいシュートをロングレンジで放っており
いつにない積極性がゴールと勝利を呼び込んだといえるだろう。


さて、元日はJ2降格が決まったサンフレッツェ広島との対戦である。
リーグは下位に沈んだ広島だが、持ち前の緻密さに
開き直った大胆さで思い切りのいいサッカーをしているようだ。
そんなに簡単に勝てる相手ではないが、
それでも11冠目を期待したい。