地下鉄に乗って


東京の中小衣料品メーカーに勤める中年男が
地下鉄に載って昭和三十年代や終戦直後に
タイムスリップする物語。
過去と現代を往来するうちに、
父親の過去の姿を知り、憎んでいた筈の父親を理解するという
父と子の心の交流というテーマを浅田次郎お得意のお涙頂戴で
仕上げたものである。


映画の方は、主人公の父親アムール役大沢たかおが熱演
あまりのぎらぎらしたこってり系の演技に
最後の最後まで彼だと気が付かなかった。
アムールの恋人のパンパン役を常盤貴子が演じていたが
こちらは、妙にはまっていた。
こうした汚れないしチョイ汚れ役は彼女に良く似合う。
良く悪くも原作の持ち味を殺すことなく上手くまとめたーというのが
率直な感想の映画だった。


地下鉄に乗って (講談社文庫)

地下鉄に乗って (講談社文庫)