大阪で生まれた女18

大阪で生まれた女・18


なんとなくこの曲を聴きたくなってアマゾンに注文した。
18編の詩から成る演奏時間30分以上の”大阪で生まれた女"は
tacaQの知る限り日本最長のポップ曲である。


高校時代に愛を芽生えさせた2人が、夢を追いかけ大阪を出て東京で暮らし
やがて生活に疲れて破局を迎える一部始終を唄った曲の存在は
かなり前から知っていたが、通しで全部を聞いたのは今回が初めてだった。
正直、これほどいい曲だとはちょっと想像してなかった。
この曲がどんな分類になるか正確なところ判らないが
この曲はブルースだと思う。
ブルースが何であるか知らない人間がいうのはなんだが、この曲はブルースである。
暗いマイナーな曲調で、ハッピーエンドと無縁で希望の欠片もない歌なのだが
この曲がとても好きになった。


夢を追いかけることを選び厳しい現実に追いかけられ生活に負けて
唯一のよりどころである愛すら失った人生を不幸と定義してよいだろうか。
全てがそうだと言い切れないが、おそらく夢を見ることができた人間は
見られなかった人間より幸せだったと思う。
夢が無惨に散ったとしても、そこに注いだ汗や努力は否定されるものではない。
夢の残骸にすがることなく、失敗を誇りとして生きる人生も、また良しではないか。


以上一緒に夢を見てくれる人のいない中年の独り言である。



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