消されかけたファイル-昭和・平成裏面史の光芒〈Part2〉


消されかけたファイル―昭和・平成裏面史の光芒〈Part2〉 (新潮文庫)



当時警察庁長官だった国松氏狙撃事件の際、
アメリカNYでFBIがマークをしていた北朝鮮のテロリストが
忽然と姿を消した
現在逃亡中の平田が狙撃したといわれるが、彼は本当に犯人なのか
狙撃場面を目撃した主婦は不可解な銃声は?
教団の最高責任者であった麻原捕まり、死刑判決控訴が高裁で棄却され
死刑へのプロセスがやっと見えかけたとはいえ
オウム真理教の謎はいまだ全て解明されていない。


また金大中拉致事件において日本人記者がインタビューを申し込んだ際
何故朝鮮総連金大中の所在と連絡先を知っていたのか。
自殺した代議士中川一郎はどのうようにKGBに取り込まれていったのか、などなど
麻生幾の消されかけたファイル-昭和・平成裏面史の光芒〈Part2〉は
我々の見回りで起きた大事件の知られざる闇にメスを入れている。
今もなお継続中の案件がありその全てが明らかにされておらず
活字化されたものは事件を構成する数多の真実のわずか一握りでしかないのだが
それですら市井に暮らす人間にとって十分に驚愕する内容である。



戦後半世紀以上、この国は焦土から立ち上がり安逸を貪り続けた
国民の平均寿命は世界一を競い、国民所得も世界有数、
世界にこれほど安全な国はないと言われているが
一皮剥けば冷たく暗い"闇"が蠢き続けていた。
そうした"闇"が姿を変えて今、
日のあたる場所へと動き始めているのを感じることがある。


溜まりきった膿が吹き出たかのようなに国のあちこちで問題が起きている。
自衛隊反対、国歌国旗否定、領土問題、自然保護、外国人参政権問題、
男女共同参画社会、平等、人権etc......
膿は確実に体を蝕み機能不全を起こし日本は国家として健康体とは言い難い状態にある。
そして表面上は直接関係ないようにみえるがこれらの問題は
奥深いところには共通の"闇"が存在し、蠢いているのを感じることがある。


膿を切り取るにはかなり深い部分までメスを入れなければならないし
健康な部位を損ねることがあるかも知れない
しかし、今治療しなければこの国は国家としての寿命が尽きるだろう
この国の伝統的価値観を壊し、あるいは為政者を取り込み
この国をコントロールしようする人間が悪性のウィルスのように蔓延っている。