賊徒どもを滅ぼせ。


日曜の朝五時、J-Waveのアーリーモーリーバードを寝ぼけ眼で
布団に入りながら聞いた。
デジタルディバイドの話題に触れて
ニュースくらいは英語で読まないと情報社会において
勝ち組になることはできないという話をしていた。
その理由は、世界には日本語に訳されていない情報が多く存在し
日本語のヤフーとかのポータルサイトでは、重要度の低い情報しか
扱っていないからだという。



憲法草案が可決される見込みが高くなったイラクにおいて
メディアのホテルの前で派手な自爆テロがあった。
極めて気分の悪くなる事件である。


http://bb.goo.ne.jp/contents/FJTFNN/FJTFNN200510250039/index.html

イラクの首都バグダッドで24日、外国メディアの拠点となっているホテルを狙った連続自爆テロがあり、少なくとも20人が死亡した。 爆発の標的となったのは、イラクの首都バグダッドで現地で取材に当たる外国メディアの拠点、パレスチナホテル。 2003年のフセイン政権崩壊直後、FNNも取材拠点としていた有名なホテルで、その前の広場は、アメリカ軍がバグダッドに入った際、フセイン元大統領の銅像を引き倒した場所としてもよく知られている。 爆発の瞬間を定点カメラがとらえていた。 まず、1台目の車がホテルを取り囲むコンクリートの壁近くで爆発し、そのおよそ3分後に2台目が爆発する。 画面の左端にオレンジ色の炎と煙が立ち上り、それからわずか1分後には3回目の爆発があった。 この爆発の直前、カメラには荷台から煙を上げるコンクリートミキサー車が写っていた。 イラク治安当局によると、一連の自爆テロで少なくとも20人が死亡し、40人が負傷したということで、新憲法案の承認を目前に控え、武装勢力が政治プロセスの妨害を狙った可能性が高いとみられている。

ここで武装勢力という言葉がどうも引っ掛かって、
ニューヨークタイムズのサイトで同事件の記事を探したところ、
同紙では”insurgents”(賊徒)という単語で犯人達を呼んでいた。


3 Bombers Strike at Baghdad Hotels[New York Times]

For the past several weeks, Iraqi and American military officials had been warning that insurgents might stage a series of spectacular attacks to disrupt the constitutional referendum on Oct. 15. But on that day, there were fewer than 90 attacks across Iraq, a quarter of the number of attacks during the January election, and only nine of them were in Baghdad, none with major casualties.


かつてベトナム戦争時、日本のマスコミは
Communist insurgents(共産ゲリラ)を解放勢力と呼んでいた前歴があるが
イラク人を殺傷する気違いどもをどんな言葉で修飾しようが
この外道連中がイラクの民衆を解放することもなければ、国民の支持を集めることもない。


国民投票後も楽観許さぬイラク[泥酔論説委員の日経の読み方]

で、実際のところイラクはどうなるのかと言えば、この民主化プロセスは上手くいきます、というのが予てから泥酔の論です。社説子が懸念する内戦なんぞには到底なりはしません。
それは何故かと言えば、イラクで活動しているテログループというのは、既得権益を失った旧フセイン政権の残党か、アラブ諸国から態よく叩き出された連中ばかりで、イラク国民の大半からすると国家の再建を邪魔する輩なわけです。これは自爆犯の6割方が、実はサウジ人であったことからしてもよく分かると思います。


アラブ専門家である保坂修司氏によれば、アラブというのは先は見通せるが先の先は見通せない、と彼らの短期的視野を嘆いていますが、石油と水という天然資源や高等教育受けた数多くの人的資源に恵まれ「中東の宝石」と呼ばれるイラクの潜在力は、イラク国民自身がよく認識しているはずです。このままテロという暴力をいくら繰り返そうが、内戦にすらならず政治的にも何ら影響力がないばかりか、単なる殺人者としてのレッテルを貼られてお終いなのです。


暴力を主導しているとされるスンニ派も、このまま政治プロセスに参加しないとどんどんジリ貧になるわけで、彼らも民主化に乗ってこざるを得ない状況に追い込まれたと見てよいでしょう。早く復興すればそれだけ早く独立でき、アメリカを始めとする外国軍もそれに伴って撤兵します。こう言ったことを見通せば、悲観論に走らず簡単に事態を読むことができるのです。


日本のメディアは
ブッシュの失策をあざ笑うようなどうでもいいニュースを訳す暇があったなら
外道どもをWW2ナチス占領下のフランスのレジスタンスのように扱う報道姿勢を
点検した方がいいだろう。
報道するたびに自らの信用を落とし続けていることに気がつくくらいの知能を持て。