漫画は漫画である。

実家に帰った時、時間調整で本屋に行ったところ「嫌韓流」が平積みしてあった。
ネット上で連載されていた漫画を読んだことがあったので
特に買うつもりなかったのだが、おまけの文章とかが、ことの他面白かったので購入。
実家に帰ったら、愚兄に
「どうせお前のことなんだから、買ったんだべ?」と云われた。
どうやら愚兄は、平和主義者にして国際交流推進派のtacaQを
ネット右翼と勘違いしているようだった。


両者を読み終えて、まぁこんなものか、思った。
散々、ネットや産経新聞、その他で云われていることが漫画になったに過ぎず
さほど目新しい発見や考察はなかった。
ただ、嫌韓流の方は、作者はアマチュア*1なので
絵柄の割りにストーリーが必要以上にしっかりしすぎて、
読む人によっては、この点で押しつけがましいと感じるかもしれない。
中国入門は、プロのジョージ秋山が執筆しているが
よっぽど急いで描いたのだろうか、絵と物語があまりにも大雑把である。


外務省やマスコミは、日中友好や日韓友好を謳う一方で、
その裏で起きている事件や出来事にスルーしている。
ブログを中心とするネット空間が、反韓国、反中国にブレるのは、
汚い物にフタをするような態度に怒りを感じている日本人が多数いるからである。
両書が発刊されたのは、背景にそうした感情があるからだろう。



中国や韓国を無批判に礼賛するのは問題だが、
この本だけで韓国、中国を語るのも非常に危険なような気がする。
小林よしのり戦争論を描いて
中年親父が大挙して保守オタク化してしまったように
この本を読んだ層が、反韓、反中オタク化してしまわないか、危惧されるが
漫画の完成度からすれば、両書とも小林よしのりにははるか及ばないので
いらぬ心配といえばそれまでである。


個人的には、この本は政府やマスコミの意見のカウンターとして
理解しておくのが妥当なところだと思う。


以上、かつて漫画家を希望していた平和主義者の独り言である。


さて、在日のKちゃんのいる焼き肉屋でも、行くべ。



マンガ嫌韓流

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マンガ中国入門 やっかいな隣人の研究

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*1:だと思う。