- 作者: 嶽本野ばら
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/07
- メディア: 単行本
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お前なんて、茨城で生まれて、茨城で育ち、基本的に茨城から出ることなく 茨城こそが宇宙だと信じて死んでいけ
2004年に深田恭子主演で映画化され、海外でも上映され
世界中を愛と感動の渦に巻き込んだ「下妻物語」
これによって、アメリカで出版されたガイドブックに「Shimotsuma」との文字がのり
東京の次に有名な日本の都市になったとか*1
体育の見学理由を白血病と書いたために
教師の心証を悪くして留年したロリータ偏愛少女、
上野駅乗換えを背負えないほど脳みそを青虫に食い荒らされた純情派ヤンキーギャル、
老いらくの恋にいそしみ恋愛なんてやったもん勝ちと言い切る老婆
娘にキャバクラやソーブへ就職を勧める一方でボッタクられる駄目オヤジ
赤川次郎を読んだだけでミステリー好きと言い切る下妻ジャスコの警備員など
普通の人間が殆どでてこないこの物語は
東京駅から出発した水海道行きの長距離高速バスで発生した殺人事件を中心に
ばかばかしいまでの推理劇が展開された。
やっぱりイバラキなんてこんなものか、
と嘆きたくなる一方でそのバカさ加減に笑いが止まらない。
桃子、親友の恋人でも好きになったら、奪いとって構わないんだよ。 友情と恋愛とどちらが大事なんてことは、訊く方が野暮だよ。 恋愛に決まってるんだから。 恋のためなら友達を騙したり、裏切ったり、ダシに使っても 神様は怒りゃしないんだよ。
殺人犯の疑いをかけられた親友(?)イチゴについて
「脅されてパシリさせられてるです〜」とか「彼女だったらやりかねない」と
刑事に嘘の証言をして、捜査を混乱させて状況を楽しむ身勝手の塊桃子であるが
旅立ち朝、イチゴから手渡されたトップクに意外な告白を・・・
笑いと涙がちょちょぎれる完結編
イバラキに生まれてとりあえず良かったとだけ云っておこう。
(過去関連記事)
http://d.hatena.ne.jp/tacaQ/20040517
*1:勿論、大嘘