Welcome Turkey

日曜の朝、新聞のページをめくっていると日航全日空
イラクに派遣にされる自衛隊員の輸送を防衛庁から打診を受け
断ったという記事を見つけた。
組合からの反対と運航に安全が保証できないというのが、その理由だったそうである。
(※ 両航空会社とも防衛庁からの打診を否定)
両社ともナショナルフラッグの航空会社に相応しい
危機管理意識を持ち合わたことに軽蔑した気持ちを抱えたまま
まったりと過ごしているとBS-2で
プロジェクトX撃墜予告テヘラン発 最終フライトに急げ」の放映が始まった。



1985年、イランイラク戦争激しくテヘランへの空爆が頻繁になったおり
イラクがイラン領空を飛行する航空機は民間機であっても
撃墜するという宣言なされた。
テヘラン日本大使館員は、イラン国内の日本人の国外脱出を画策し
日本航空にチャーター便を依頼するが
日航は、危険だからという理由で外務省の要請を却下する。
四面楚歌の状況で、大使館員が親交のあったトルコ大使に掛け合うと
トルコ航空からチャーター便をフライトさせてくれることに同意し
その航空機で邦人215人が無事イランからトルコに脱出する。
その危機脱出の一部始終をドキュメントしたものが、番組の内容だった。
番組の中では、日本大使館員や伊藤忠商事のビジネスマンが
チャーター便フライトのために奔走する話をメインとして放映していたが、
何故トルコがそこまでして日本人を助けようとしたかの説明が
抜け落ちているような気がした。
トルコは親日の国として有名だが、それだけでは
危険を冒してまで日本人を救う理由にはならない。
何しろ、同胞の日本人が邦人を危険だからといって見捨てている状況なのだ。
チャーター機の運航に必死に働いた人間の労苦を蔑ろにするつもりはないが
トルコの善意の裏にあったものを、日本人は知るべきだと思う。



福岡県高校教諭の占部賢志氏は
トルコ航空の善意の裏側には1世紀前に日本人の名もない漁村民が、
難破したトルコ船エルトゥールル号の乗組員を助けた事件
恩返し意味があったと推測している。
この教諭が後日、
エルトゥールル号事件の取材のためトルコ大使館に問い合わせた際、
大使にテヘラン邦人救出の感謝の言葉を伝えたのだが
この謝辞に対してトルコ大使は通訳を通じて
「いやあ、大したことはありませんよ。当たり前のことをしただけです」と
謙遜されたそうだ。
当たり前のことを、当たり前にできるそういう日本人に私はなりたい。
少なくても、日航全日空のような危機管理意識は持ち合わせる意志はない。